葛藤と失敗の正当化
葛藤のパターン
あなたは、どう行動してよいか迷って、身動きが取れないという経験はないでしょうか。これは複数の欲求がほぼ同じ強さで存在するために、行動を決定することが困難な状況になるためで、これを「葛藤(コンフリクト)」と呼びます。
葛藤の基本的な型は、4つのパターンに分類できます。
①接近ー接近葛藤
好ましい価値をもった二つの誘因に挟まれて、二者択一を求められる葛藤。
②回避ー回避葛藤
好ましくない価値を持った二つの誘因に挟まれて、身動きのできない状態。
③接近ー回避葛藤
一つの誘因が好ましい価値と好ましくない価値を兼ね備えている状態。
④二重接近ー回避葛藤
二つの誘因が提示されるが、それぞれが好ましい価値と好ましくない価値を兼ね備えている状態。
失敗や不満を正当化する
イソップ童話にこんな話があります。
おなかのすいたキツネが、たわわに実ったブドウの房を見つけました。ブドウを取ろうと何度もジャンプしましたが高くて届きません。どうしても取れないとわかったキツネは「すっぱいブドウだ」と思うことで、あきらめたのです。
このキツネと同じように、私たちは失敗や都合の悪いことにもっともらしい理由を付けて、自分を正当化することが多いものです。これは精神分析でいう「防衛機制」の一つで、「合理化」と呼ばれています。合理化によって、私たちは一時的にせよ嫌な問題や解決困難な事柄から逃れることができます。また、フラストレーションを呼び起こすような出来事を、何とか受け入れ可能なものに置き換えることもできます。
この合理化を「すっぱいブドウ型」と「甘いレモン型」とに分けられます。
すっぱいブドウ型は、欲求不満の苦しさや失望から逃れるために、欲しいものには価値がないとします。この逆が甘いレモン型で、自分の行動を最善のものであったと評価し、今回の失敗は今後の利益につながるとして、納得させます。